「これから自社のショールームのコンセプトを立てたい!」
「でも、実際にショールームのコンセプトを立てる時って何を意識すればいいの?」
これからショールームプロジェクトを立ち上げるにあたって、上記のように悩んでいるご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。ショールームのコンセプトを立てる際、コツや成功事例を知っておくと、よりスムーズに進めることが可能です。
今回の記事では、ショールームのコンセプトの立て方、ショールームのコンセプト設計を成功させるコツを解説します。また、ショールームプロジェクトの成功事例も掲載しているので、ぜひ参考にしながら読み進めてみてください。
Index
■ショールームの目的の種類
プロジェクトの方向性・意志の統一、関係者間の合意形成を確実に図るためにも、ショールームの目的をあらかじめ考えておくことが重要です。
ここからは、ショールームの目的の種類として、以下の3つを挙げて解説します。
- クロージング・売上につなげたい
- アップセル・クロスセルにつなげたい
- 認知拡大を実現したい
自社はどの目的に当てはまるのか、1つずつチェックしていきましょう。
①クロージング・売上につなげたい
顧客に自社の製品・サービスの強みを体験してもらい、理解を深めてもらうことは営業活動を有利に進めるために大切です。特に、写真や製品そのものを見せても魅力が伝わりづらい商材であれば、ショールームの展示を工夫することで顧客側が理解しやすくなります。
訪問者が製品・サービスを体験できる施設、ディスプレイなどがあるとイメージが湧きやすくなり、クロージングにつながりやすくなります。購買行動に直結する体験プログラムを考え、クロージング・売上につなげられるようにしましょう。
②アップセル・クロスセルにつなげたい
自社の商材やソリューションのラインナップを一覧できる場を設け、知ってもらうことで
アップセル・クロスセルにもつながります。関連商品を組み合わせ、顧客がより多くの商品に興味を持つように誘導できる流れがあると理想的です。
特に多岐に渡る事業を展開していると、社員であっても自社の商材を網羅しきれないケースもあるので、ショールームを使った営業が効果的です。製品ラインナップの実物展示、デモ体験での付加価値の向上など、積極的に工夫を施しましょう。
③認知拡大を実現したい
BtoB企業であっても、企業に対する信頼感や安心感を高めるために、一般生活者の認知を得ることは重要です。企業名を知ってもらうだけでなく、技術力やサステナビリティへの取り組みなど、社会に対する企業価値をアピールして、訪問者の印象に残るようにしましょう。
たとえば、自社がどのような想いで製品やサービスを開発しているのか分かるようなコンテンツを制作し、その想いに触れることができるような展示や体験を作ると伝わりやすくなります。来場者にとって魅力的な展示、体験コンテンツなどを作ることで、SNSで自然とシェアしたくなる、そして認知拡大にもつながることが理想的です。
■ショールームの目的に沿ったコンセプト設計を行うコツ
ショールームの目的に沿ったコンセプト設計を行う場合、以下のようなコツがあります。
- 自社でワークショップを行って意見を募る
- 競合企業のショールームの情報を集めて参考にする
- 外部パートナーへ相談してアドバイスをもらう
コンセプト設計を上手く進めるためにも、1つずつ確認して理解を深めていきましょう。
①自社でワークショップを行って意見を募る
ワークショップを通じて、全員で施設の目的・役割に関する理解を深めましょう。資料だけでは理解が深まりづらい部分や質問しづらい部分も、ワークショップを行うことで解決しやすくなります。
また、営業部門や企画・開発部門など施設の使用者となる関係部署やメンバーから、使用イメージや取り入れたい事項について意見を募るのがおすすめです。複数の視点で見ることで、新たな意見を引き出しやすくなります。
②競合企業のショールームの情報を集めて参考にする
競合企業はもちろん、クライアントや協力会社、話題の施設など、類似目的施設を見学することで新たなアイデアのヒントが得られます。ヒントなしでショールームのコンセプトを考えるよりも、スムーズです。
また、Pinterestなどの画像サイトで他社ショールーム・オフィスに関する参考写真を集めておくと、さらなる情報収集につながり、関係者とも情報共有できます。競合調査を行うことで自社のコンセプト設計で足りていない部分が見えてくるので、積極的に調査し、コンセプト作りのヒントを見つけましょう。
③外部パートナーへ相談してアドバイスをもらう
もし、ショールームのプロジェクトに関わるのが初めての場合、動き出しの段階で、外部パートナーに壁打ちをお願いするのがおすすめです。まずは外部パートナーとラフなディスカッションをすると、目的やコンセプト設計に関する悩みを解消しやすくなります。
自社のみでアイデアを考えるよりも、外部パートナーへ相談することで幅広いアイデアを吸収できます。自社だけだとどうしても悩んでしまうことが多い場合は、外部パートナーへ壁打ちをし、状況と情報を整えましょう。
■ショールームの制作事例
ショールームの制作事例として、以下の3つをピックアップしました。
- 株式会社マクニカ様
- 日本製鉄株式会社様
- スター精密株式会社
どのような制作事例なのか、1つずつじっくりとチェックして、参考にしてみてください。
①株式会社マクニカ様
株式会社マクニカ様は、半導体事業、セキュリティ・ネットワーク事業を行う会社です。ビジネスの場において企業間の連携や共創活動が求められているなかで、パーパスの体現とイノベーションを起こす共創の場を目指してショールームを改修しました。
「可変的な場」をキーワードに、展示だけでなくセミナーやワークショップ、社内イベントまで多種多様に対応できるようにしたのが最大の工夫点です。本プロジェクトでは、株式会社マクニカ様に関わる全てのステークホルダーの方々が招かれ、集い、共創する空間、そしてマクニカらしい「最先端」を表現することに成功しました。
▼株式会社マクニカ様のショールーム事例の詳細はこちら
②日本製鉄株式会社様
日本製鉄株式会社は、国内大手の鉄鋼メーカーです。日本製鉄株式会社は、自社の企業理解を深めてもらうこと、鉄という素材の特性を知ってもらうことを目的に、ショールーム全体を改装しました。
製鉄所の工場見学と組み合わさったショールームとして、鉄の強みや魅力を伝えることにフォーカスしているのがポイントです。名古屋製鉄所の歴史・多様性・能力、そして企業全体としての強みと鉄の可能性を、シンボリックな空間デザイン・グラフィックで体現し、社会科見学の子どもたちからビジネス目的の来場者まで、幅広いコミュニケーションに対応できる、わかりやすく使いやすいショールームを実現しました。
▼日本製鉄株式会社様のショールーム事例の詳細はこちら
③スター精密株式会社様
スター精密株式会社は、電子機器・工作機械・精密部品を行うメーカーです。本プロジェクトでは、工作機械事業部のオフィス棟新設に伴い、展示・デモ・商談スペースを備えた工作機械の実験的ショールームとして新設しました。
顧客が同社への理解と共感を深められるように、全体の体験ストーリーをたどれる企画設計を行っているのもポイントです。マーケティング・ブランディング活動への展開を見据えた映像コンテンツや展示什器も制作し、訪れる方々とのコミュニケーションを幅広く支えるショールームを実現しました。
▼スター精密株式会社様のショールーム事例の詳細はこちら
■まとめ
ショールームの目的・コンセプトの立て方を理解したうえでプロジェクトをスタートすると、目指すべき方向・意志が整い、進行もスムーズになります。本記事で紹介した成功事例のポイントも押さえておくと、より企画立案のイメージがしやすくなります。
これからショールームを作りたいとお考えなのであれば、本記事を読んだうえで、企画をスタートしていただけますと幸いです。
以下のリンクでは、ショールームやミュージアムのプロジェクト立ち上げ、知っておきたいガイドラインと、コンセプト設計のコツなど役立つノウハウが凝縮されたホワイトペーパーをダウンロードできます。また、本記事には載っていない企業サポート事例、計画や要件定義に必要なRFPのテンプレートなども記載しているので、ぜひご参考にしてみてください。
ただ、ショールーム制作において、目的を絞ることやコンセプトの設計が難しいことも少なくありません。目的やコンセプトの立て方に迷ったら、以下のリンクから株式会社博展にお問い合わせください。