「ブランディングの具体的な流れや手法がわからない……」など、ブランディング詳しいやり方を知りたいという方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、ブランディングの手法や成功のためのポイントの他、実際の戦略例をご紹介します。ブランディング施策を詳しく知りたいという方はぜひご確認ください。
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■ブランディングとは?実施する目的は?
■ブランディングとは?実施する目的は?
まずは、ブランディングとは何か?について簡単におさらいしておきましょう。ブランディングの目的や種類についてご紹介します。
●ブランディングとは?
ブランディングとは、企業のマーケティング戦略のひとつで「顧客から選ばれるための信頼や価値」を作るための施策です。ここで重要になるのが、企業・商品・サービスの個性や独自性を構築することです。「らしさ」ともいえる個性や独自性を構築することで、機能や価格といった要素が均一化しつつある市場の中で、他社との明確な「違い」を生み出すことができます。ブランディングとは、このような「信頼できる個性」を明確にするための施策のひとつです。
●ブランディングの効果
次にブランディングを行う目的についてご紹介します。ブランディングは、主に以下の4つの目的のために行われます。
・強みの明確化と差別化 ブランディング施策を通して、企業・商品・サービスの要素を洗い出すことで、アピールするべき「強み」を明確できます。また、その強みを強調する施策を行うことで、他社との差別化を図ることもできます。 ・価格競争を避ける ご紹介したように、現代はさまざまな市場が成熟化し、商品やサービスの機能・質が均一化しています。他社との差別化のために「価格を下げる」という方法もありますが、価格競争になると市場の価値がどんどん下がり、最終的には共倒れになってしまうリスクがあります。「価格以外の選ばれる価値」をブランディングによって生み出すことで、価格競争に巻き込まれずに済みます。 ・信頼性とファンの獲得 企業・商品・サービスなどの強みを明確にして、それを強調する施策を継続的に行うことで、顧客からの信頼性が高まります。顧客との信頼関係を構築できれば、顧客のファン化を促進することができます。 ・人材の確保 ブランディングが上手くいけば、「企業・商品・サービスに対するポジティブなイメージ」を根付かせることができます。このようなポジティブなイメージは、顧客だけでなく求職者を惹きつける効果も。中長期的には、優秀な人材を確保しやすくなるといえるでしょう。ブランディングの中には、採用強化を目的にした採用ブランディングもあります。 |
●ブランディングの種類
ブランディングには、以下のような種類があります。
・インナーブランディング 社内の従業員や関係者に対して自社の価値や理念を浸透させる活動のこと。企業文化の醸成や社員のエンゲージメント向上を目的とします。 ・アウターブランディング 顧客や社会全体に対して、ブランドの価値を伝える活動のこと。認知度向上や信頼の確立、ファンの獲得を目的とします。 ・商品・サービスブランディング 商品ブランディングとは、特定の商品やサービスを対象に、その独自性や価値を訴求する活動です。強みの明確化、市場での差別化、商品やサービスのファンの獲得などを目的に行われます。 ・BtoBブランディング 企業が他の企業向けに行うブランディング施策全般を指します。信頼性、専門性、長期的な関係構築が重要になります。企業に対して事業活動を行う、ソフトウェア開発企業や産業機械メーカーのブランディング戦略が該当します。 ・BtoCブランディング 企業が一般消費者向けに行うブランディング施策全般を指します。ファッションブランド、食品メーカー、エンターテインメントサービスなど、一般消費者向けのサービスを展開する企業が行うブランディング戦略が該当します。 |
■ブランディングの基本的な実施方法と成功のポイント
では、ブランディングの基本的な実施方法と成功のためのポイントについてご紹介します。
●ブランディングの基本的な実施方法
ブランディング施策は、以下のような流れで行われます。
・状況分析 まず、ブランディング対象(企業・商品・サービスなど)の現状を正確に把握することが重要です。現状を把握するための調査(市場・顧客・内部)を行い、それをもとにブランディング対象が置かれている現在地を分析します。 ・課題や目標を明確にする 現状の分析結果をもとに、企業・商品・サービスが抱えている課題とブランディングによって達成したい目標を明らかにします。課題と目標を明確に設定することで、その後の施策に一貫性をもたせることができます。 ・アイデンティティの設定 ブランディングの核になるアイデンティティを設定します。設定したアイデンティティはブランドメッセージやステートメント / タグラインとして言語化したり、ロゴやVI(ビジュアルアイデンティティ)として視覚化したりすることで、社員や顧客、社会と共有しやすくなります。一貫したアイデンティティを発信することで、複数の施策をまたいでも同じイメージを持ってもらいやすくなります。 ・ブランディング施策の実施 企業・商品・サービスが抱えている課題を解決し、アイデンティティやブランドメッセージを浸透させるための施策を実施します。ブランディング施策は、一度切りのものではなく、適切なタイミングで複数のチャネルで行いましょう。 ・レポーティングと分析 ブランディング施策の効果測定を行い、レポートにまとめます。「どのような成果が得られたのか?」「どのような課題が見つかったのか?」などを分析し、次の施策に活かします。「実施→効果測定→分析→実施」というPDCAを回しながら、継続的に施策を行うことが大切です。 |
●ブランディングを成功させるポイント
ブランディングを成功させるためのポイントについてご紹介します。
・感情的なつながりを重視する ブランディングを実施する上で重要になるのは、インナーであれアウターであれ、対象者の感情に訴えかけるということです。対象者が日常的に感じている悩みや疑問、もしくは希望などに寄り添い、それを解決できることを強調しましょう。このような感情的なつながりを意識したブランドメッセージを作成し、施策に落とし込むことで、信頼関係を構築しやすくなります。 ・全社一丸となって施策に取り組む 企業ブランディングや採用ブランディングなど、組織全体のブランドを刷新する場合に重要なのが、経営層などの一部だけでなく、全社一丸となって取り組むこと。「会社のイメージや課題、提供価値などを社員全員で出し合う」など、アイデンティティ・ブランドメッセージの作成段階から全社で取り組むことで、より本質的な価値を発見しやすくなります。また、各社員が自分事としてブランディングに取り組むため、その後の施策に統一感が出やすいといった効果も期待できます。 ・一貫性のあるコミュニケーションを設計する ブランディングを成功させるには、短期間・単発の施策で終わらせず、一貫性のあるコミュニケーションを継続的に行うことが重要です。ブランドイメージを社内外に浸透させるのは一朝一夕にできるものではないので、2~3年ほどの長期的な視野で取り組み、一貫したコミュニケーションでタッチポイントを増やしていきましょう。 |
■ブランディング戦略に基づいたコミュニケーション事例
博展は、BtoC、BtoBに関わらず、さまざまな企業のブランディング支援を行っています。ここでは、博展の「ブランディング戦略に基づいたコミュニケーション事例」をご紹介します。ブランドコミュニケーションとはどのようなものか?どのような効果が得られるのか?を知りたい方は、ぜひチェックしてください。
①バカルディ ジャパン株式会社様
世界最大規模のスピリッツカンパニー・バカルディ社の日本法人として、洋酒の輸入や卸売を手掛けているバカルディ ジャパン株式会社(以下:バカルディ)は、2024年3月に六本木ヒルズカフェにて『Dewar’s 12年 DISCOVER YOUR HIGHBALL』を期間限定オープン。スコッチウイスキー「デュワーズ 12年」のリニューアルを記念し、ブランドの歴史と世界観や、特別なハイボールを体験できるイベントを開催しました。
②野村不動産株式会社様
野村不動産株式会社は、マンション事業60周年・プラウド20周年の節目として、オーナー様を対象とした感謝祭を主催。
『野村不動産と日本の60年史』をプロジェクションマッピングを活用して展示したヒストリーエリアや、近未来の「会」「楽」「学」「食」「休」をテーマにした『未来のくらし体験エリア』、サステナブルな体験やトークショーなど、多種多様なコンテンツが実施されました。
■まとめ
ブランディングは、他社との差別化や顧客との信頼関係の構築、人材の確保など、さまざまな効果が期待できる施策です。ただ、このようなブランディングの効果を得るには、時間をかけてアイデンティティやブランドメッセージを作成し、一貫したコミュニケーションプランで施策を継続的に行う必要があります。今回ご紹介した内容を参考に、それぞれの目的に合わせたブランディング戦略を考えてみてください。