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SHOT BRIGHT
「POLA SHOT BRIGHT」
つくり手の「楽しい」は伝播していく
博展はPOLAの美容液ブランド「ホワイトショット&リンクルショット」を体感するPOP UPイベント「POLA SHOT BRIGHT」の企画・コミュニケーション設計・デザイン・運営を担当しました。東京・表参道で2018年5月30日より5日間限定で行われた同イベントは、来場者からの大きな反響を受け、全国11ヶ所で約5ヶ月にわたり開催されるまでに拡大。会場に設置されたプロダクトの体験コンテンツは店頭のコミュニケーションツールとして全国40店舗の販売店へ展開されました。
プロジェクトが当初の想定を大きく超えて広がった背景には営業の中田、プランナーの平山、社内外を含めたPOLAチームの想いがありました。2人が心がけていたのはクライアントに真摯に向き合い、その企業や商品を「好きになること」「楽しむこと」。
ポジティブな感情をエンジンに加速していった「POLA SHOT BRIGHT」プロジェクトの裏側をお伝えします。
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2015年新卒入社。営業として全体統括を担当し、当初の依頼内容よりも大きく広がりをみせたプロジェクトをまとめ上げた。クライアントに寄り添い、本当に向かうべきゴールの策定、チーム全員が一体となるプロジェクトマネジメントに注力した。
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2010年新卒入社。プランナーとして、本プロジェクトのコミュニケーションの軸を設定し、課題解決に至るまでのストーリーを作成、それに伴うクリエイティブのディレクションまでを担当。クライアントとその課題に真摯に向き合い、自分ごと化できる体験を目指した。
「サイエンス×アート」をテーマに
ブランドの価値観を表現。
POLAの美容液ブランド「リンクルショット」と「ホワイトショット」は、日本で初めてシワ・シミ改善の効能が認められた商品。しかし、その革新性やブランドが十分に理解されなかったため「認知はあるが購入してもらえない」「リピート購入されない」という課題がありました。また、高品質な商品ゆえに「高年齢向け」という印象が強く、ミレニアルズ世代からは遠い存在となってしまっていました。
POLAから依頼を受けた博展は、POP UPイベント「POLA SHOT BRIGHT」を企画。プロジェクト全体のプランニング、クリエイティブディレクション、会場設営、SNS施策を担当しました。短期間の使用では効果が感じづらいスキンケア商品を直感的に理解できるよう体験型のイベントを制作。ゲーム感覚のコンテンツやハンドプロジェクションで訴求しました。最初の会場、表参道Zero BaseでのPOP UPは2018年5月にスタート。
プランニングを担当した平山はブランドのストーリーを届けるにあたり、POLAの根底にある「サイエンス」「丁寧な接客」に着目したといいます。
平山「POLAのブランドの根底にあるのは、長年にわたって美白研究に取り組んできた『サイエンス』の要素。そこに、若年層に向けたインタラクティブな『アート』の要素を掛け合わせてストーリーを考えていきました。ゲームの要素を取り入れたコンテンツや、ハンドプロジェクションによって化粧品の効能を体感できる装置を作ることで、ブランドをより体感的に知ってもらう機会を創出しました。
また、POLAは化粧品の訪問販売をルーツに持つ企業。創業当初より目の前のお客様とのコミュニケーションを大切にしてきました。こうした背景から、イベント会場の外でお待ちいただく方へオリジナルの日傘をお渡しするなど、POLAが大事にしている丁寧な接客、おもてなしへの姿勢を体現しています。オレンジとホワイトの日傘を手にした方々が表参道の中心地に現れたことで、通りがかりのお客様へも訴求することができ、集客へと繋がる効果もありました」
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5日間に渡って行われた「SHOT BRIGHT」はPOLAからも高い評価をいただき、全国展開されることが決定。約5カ月間で全国11会場を巡る一大プロジェクトへと成長していきました。また、プロダクトの体験コンテンツは全国40箇所の販売店でも展開され、店頭の販売促進にも貢献しました。
博展メンバーとクライアントはもちろん、パートナー会社を含め約500名が関わった「SHOT BRIGHT」プロジェクト。全員が同じビジョンを共有できていたからこそ成功したのだと2人は振り返ります。
平山「このプロジェクトでは各セクションのリーダーが、毎回担当者との打ち合わせに参加していました。責任者が全体像を把握し、迅速に判断を下すことができるため、コミュニケーションが円滑になり、変更点にも臨機応変に対応できる。そうしたチームの姿勢は評価していただけましたね。プロジェクトメンバー全員が同じ船に乗った感覚でした」
中田「このメンバーなら荒波も超えて行けると思えましたね。突然全国展開が決まったこともあり、準備時間は十分とは言えない状況。大変な瞬間もありましたが、博展とPOLAが1つのチームになって『良いモノを創り出したい』という想いを共有する事ができた。体験のプロ、化粧品のプロ、それぞれの視点で、意見を重ね合わせたことでコンテンツの強度が高まったと感じています」
「楽しむ力」「好きになる力」が
人を巻き込むクリエイティブを生む
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スキンケア商品の効果は継続して利用してこそわかるもの。来場者の方にその魅力を伝えることは簡単ではありません。「リンクルショット」と「ホワイトショット」という、二つのプロダクトを訴求するために平山が心がけていたのは、ただ単に商品の魅力を伝えるのではなく、商品の背景にあるブランドの想いをユーザーに共感してもらうことでした。多くの方の共感を生むクリエイティブは、作り手の「好き」という感情から生まれるものだと話します。
平山「プロジェクトを通して意識したのはPOLAのブランドやサイエンスを楽しく学んでもらえるような仕組みをつくり出すことでした。会場を訪れる前から、家に帰った後まで、ずっとワクワクしていてもらいたい。イベント後のアンケートにおいてブランドへ共感するコメントが増加したことは、私たちの考えが伝わった成果の一つだと感じています。
この仕事にはクライアントや商品など、関わる対象を『好きになる力』が必要だと思います。企業の成り立ち、製品知識、担当者の想い、そういった知識をインプットし、その魅力を探していく。そして、リスペクトすること。そうした積み重ねから、アイデアの種を見つけることが出来るんです」
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お客様を楽しませるために、作り手が楽しまないといけない。中田もまた、そうした想いを持ってプロジェクトに臨んでいたといいます。
中田「プロジェクトを通してPOLAという企業をより好きになっていきました。親身になって寄り添い、『ゴールの策定からゴールまでの道のり』を共にすることでクライアントにとっての『なくてはならない存在』になれたのだと思っています。スタンス次第で様々な企業の一員になることができる。それが、博展の仕事の醍醐味だと思います」
平山「企業の課題解決を行っていく上では、実務能力はもちろんのこと、プロジェクトメンバーの想いや姿勢が重要です。今後もクライアントに近い視点に立ち、ブランドの思想を形にできるようプロジェクトに取り組んでいきたいですね」
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スタッフクレジット
- 営業
- 中田 廉太郎川口 優莉
- クリエイティブディレクター
- 南 正一郎
- プランナー
- 平山 彬子
- デザイナー
- 片山 慈子
- デジタルディレクター
- 久我 尚美
- 制作ディレクター
- 熊崎 耕平
日本製鉄株式会社
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現場の声をかたちに。
クライアントの持つ資産を再生させたショールーム設計
マツダ株式会社
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深いブランド理解の先に結実した
大規模プロジェクト